記事を78本書いても、公開28日を過ぎた記事の67%は誰にも届いていなかった
公開してから28日以上が経った記事のうち、検索にも閲覧にも一度も現れていない記事は67%(12本中8本)でした。 この数字は、毎日記事を書き続けていた自分たちにとって初めて測った面でした。「毎日ちゃんと公開できているか」は監視していましたが、「公開した記事が実際に届いているか」を測る仕組みが無かったからです。この記事は、その欠落に気づいてから、経過日数で到達率を層別する仕組みを作るまでの記録です。実測値はすべて自社サイトの運用データです。
TL;DR
- 公開記事78本を対象に、直近28日の検索表示・閲覧のいずれかが1回でもあれば「到達」とみなす仕組みを作った
- 28日以上経った記事(12本)のうち、到達していたのは4本。67%(8本)が検索にも閲覧にも1度も現れていなかった
- 到達率は経過日数が経つほど単調に上がるわけではなく、最も古い帯(33%)は1つ手前の帯(44%)を下回っていた
- 「毎日書けているか」の監視は手厚かったが、「書いた記事に意味があったか」を測る数字は1つも持っていなかった
毎日書いているのに、届いたかは誰も見ていなかった
ブログ記事の公開は自動化していて、週あたり十数本のペースで記事が増えていました。公開の成功・失敗、ビルドの通過、本番URLの200確認——これらは毎回チェックしていて、公開作業そのものが止まったことはありません。
見落としていたのは、その先です。記事は「公開できたか」までは常に確認していましたが、「公開した記事がその後、検索や読者にどれだけ届いたか」を1本ずつ追う数字を持っていませんでした。検索表示数やアクセス数の全体合計は毎日見ていたものの、それは全記事の総和でしかなく、「どの記事が届いていて、どの記事が届いていないか」には答えられない数字でした。
経過日数で到達率を層別する仕組みを作った
そこで、公開日からの経過日数ごとに記事をグループ分けし、それぞれの帯で「直近28日の検索表示が1回以上、または閲覧が1回以上あったか」を集計する処理を作りました。この2つのどちらかが1回でもあれば「到達」、どちらも無ければ「未到達」と判定します。
判定に検索と閲覧の両方を使ったのは、片方だけだと計測経路の不調と実際の未到達を見分けられなくなるためです。たとえば閲覧側の計測だけが止まっていた場合、記事は読まれているのに「未到達」と誤判定してしまいます。そのため、検索・閲覧のどちらかが欠測している帯は、本数に関係なく「判定不能」として扱い、未到達率の計算から外すようにしました。
実測結果——28日以上の帯だけ、著しく数字が悪い
対象は公開済みの記事78本(このうち窓の外に公開された3本を除く75本が集計対象)。経過日数の帯ごとの結果は次のとおりです。
| 公開からの経過 | 記事数 | 到達 | 到達率 | 検索に出た | 読まれた |
|---|---|---|---|---|---|
| 0〜6日 | 14 | 1 | 7% | 0 | 1 |
| 7〜13日 | 13 | 3 | 23% | 0 | 3 |
| 14〜27日 | 36 | 16 | 44% | 7 | 13 |
| 28日以上 | 12 | 4 | 33% | 4 | 0 |
0〜13日の帯の到達率が低いのは想定どおりです。検索エンジンに評価されるまでには時間がかかるため、公開直後の記事は届いていなくて当然だからです。問題は、その先の28日以上経った記事の到達率が、むしろ下がっていたことでした。窓の全期間にわたって露出していたはずのこの帯で、67%(8/12本)が検索にも閲覧にも1度も現れていませんでした。
もう1つの発見——到達率は単調に上がらない
数字を並べて初めて気づいたのが、到達率が経過日数とともに単調に上がるわけではないという点です。14〜27日の帯は44%まで到達率が上がっているのに、その先の28日以上の帯では33%まで下がっています。
しかも中身が違います。28日以上の帯は「検索に4本出ているが、読まれたのは0本」でした。一方、14〜27日の帯は「検索に7本、読まれたのが13本」と、検索より閲覧の方が多いという逆転が起きています。古い記事ほど検索での露出がわずかに残る一方、公開直後の紹介による流入(SNSでの告知など)がすでに切れているため、閲覧側の初速が完全に止まっている、と読んでいます。検索が、初速の切れた後を引き継げていないということです。
学んだこと
「動いているか」と「効いているか」は、別々に測らないと片方だけ盲点になります。 公開作業の監視は最初から手厚く作ってあり、失敗すれば即座に気づける状態でした。にもかかわらず、公開した記事が実際に読者へ届いたかどうかは、まるごと測れていなかったのです。動かしていることの確認が、成果の確認の代わりになっていました。
もう1つは、全体の合計値は個別記事の状態を隠すということです。検索表示数やアクセス数の総和は毎日それなりの数字が出ていたため、「それなりに機能している」という感覚を持ってしまっていました。実際には、その数字のほとんどを一部の記事が支えていて、大半の記事は一度も検索にも読者にも触れられていなかった、というのが実態でした。似た構造の見落としは、SNS運用でコンテンツの型ごとの成績を計測できていなかった過去の記録でも経験しています。動いているログの量と、意思決定に使える数字の量は、まったく別物です。
これから記事を書き続けるかどうかを判断するとき、この67%という数字は基準として使えるようになりました。次に同じ帯を測ったときにこの数字が下がっていなければ、記事を増やし続けることの効果そのものを見直す必要がある、という線引きです。
本記事は当社ブログの実測データにもとづく記録です。検索・閲覧の集計はGoogle Search Console・Google Analyticsのデータを用いており、直近28日窓・公開済み記事78本を対象としています。
コメント
#個人開発#ブログ運用#計測#AIO