リフォーム集客のLPは何を載せるか——ブロック構成と概算の入口
リフォーム集客のLP(ランディングページ=1枚で完結する縦長のページ)は、デザインを凝ることではなく、載せるブロックとその順番を決めることでほぼ決まります。結論から言うと、順番は「①誰の何をいくらで → ②お客様が止まる理由 → ③概算の入口 → ④実際の画面と事例」で、金額の手がかりは3番目までに必ず出します。住宅リフォーム推進協議会の2025年度調査(n=2,342)では、事業者を選んだ理由の第3位が「工事価格の透明さ・明朗さ」で30.1%でした(出典: 住宅リフォーム消費者(検討者・実施者)実態調査報告書 2025年度(新しいタブで開く))。この記事では、私たちが自社のLPを1枚まるごと作り直したときの実構成13ブロックと、概算金額をページに置くときに越えてはいけない法令上の線を、出典つきで整理します。

リフォーム集客のLP制作は「何を足すか」より「順番」
LP制作の相談で最初に出てくるのは、たいてい「写真をどうするか」「キャッチコピーをどうするか」です。ただ、問い合わせが来ないLPの多くは、そこが原因ではありません。
原因は順番です。読む人は上から下へ1回しか通りません。判断に必要な材料が下のほうにあると、そこへ着く前に画面を閉じます。
だから最初に決めるのは「1枚に何を、どの順で置くか」です。ブロックの並びが決まっていれば、写真もコピーも後から差し替えられます。
LPとホームページは役割が違う
作り始める前に、この2つを分けて考えます。混ぜると「検索でも見つからないし、問い合わせも増えない」ページになります。
| LP(1枚) | ホームページ(本サイト) | |
|---|---|---|
| 目的 | 問い合わせを1件つくる | 会社を知ってもらう・検索で見つかる |
| 出口 | 1つに絞る(回遊させない) | 複数(事例・会社概要・採用など) |
| 主な流入 | 広告・チラシのQR・SNS | 検索・地図・紹介 |
| 更新の頻度 | 数か月に1回、大きく直す | 事例やお知らせを継続的に足す |
| 検索での順位 | 期待しない | ここで狙う |
LPは広告やチラシの着地点です。検索で上位を取るのは本サイトの仕事なので、LPを作っても検索流入は増えません。この分担を先に決めておくと、あとで「LPを作ったのにアクセスが増えない」という誤解が起きません。
検索側から手をつけたい場合は、工務店のWeb集客は何から始めるかで着手の順番を整理しています。
1枚に載せるブロックと順番
私たちが実際に使っている構成を、リフォーム会社向けに置き換えると次の9ブロックになります。上から順に読んで、判断に必要な材料が途切れないようにしてあります。
- ファーストビュー — 誰の・何の工事を・だいたいいくらで。入口ボタンは1つだけ
- お客様が問い合わせをやめる理由 — 相場がわからない不安を、調査データで言語化する
- 概算の入口 — 金額のレンジ表か、選ぶだけの概算シミュレーター
- 実際の画面・施工事例 — 写真は「見せる」ではなく「判断材料」として並べる
- 金額の内訳と、含まれない範囲 — 何が入っていて何が入っていないかを対で書く
- 進め方 — 概算 → 現地調査 → 正式見積 → 契約、の4段を図で示す
- 会社の身元 — 建設業許可番号・所在地・体制・保険。ここで安心が決まる
- よくある質問 — 電話が来るのか、断れるのか、費用はかかるのか
- 問い合わせ — 入力項目は絞る。ここまでの選択内容を引き継ぐ
7番の「会社の身元」を下げすぎないのがコツです。事例の直後に置くと、「良さそうだけど、どこの誰?」で止まっていた読者がそのまま8・9へ進みます。
逆に入れないほうがよいものもあります。会社の沿革、社長の長い挨拶、業界一般の解説、他社批判。どれも読む人の次の行動を前に進めません。1枚のLPは紙面が限られているので、載せない判断のほうが効きます。
概算の入口は、ファーストビューのすぐ下に置く
3番目に「概算の入口」を置くのが、この構成のいちばんの主張です。理由は2つあります。
1つは、読者が止まっている理由がそこだからです。前掲の2025年度調査では、リフォーム検討時の不安の第1位が「費用がかかる」40.3%、上位に「見積もりの相場や適正価格がわからない」27.6% が入っています。相場がわからないまま問い合わせると、断りにくくなると身構えます。
もう1つは、概算を先に見た人のほうが、そのあとの話が早いからです。工事箇所・グレード・数量を自分で選んだ状態で連絡先を残すので、最初の電話が「で、ご予算は?」から始まりません。
入口の形は2つあります。予算に合わせて選びます。
金額レンジ表
- 作るのが早い(表を1つ置くだけ)
- 「うちの家だといくら?」は残る
- 誰が見たかは分からない
- 更新は手作業
概算シミュレーター
- 画面と価格表の設計が要る
- 選択に応じて自分の条件の金額が出る
- どの工事・どの価格帯で止まったかが数字で残る
- 価格表の更新が全画面に一度で反映される
どちらを選ぶにしても、置き場所は同じです。ファーストビューで「だいたいの幅」を見せ、そのすぐ下で「自分の条件だといくらか」に進める。この2段にします。
自社サイトのどこへ設置するか(既存ページへの埋め込み・専用ページ・サブドメイン)は、見積もりシミュレーションを自社サイトに導入する3方式で整理しています。
LPに金額を書くときの線——景表法と概算見積
金額を載せると決めた時点で、表示のルールが関わってきます。ここは制作の話ではなく法令の話なので、制作会社に任せきりにできません。
まず、出す金額は「概算」であって、正式見積でも契約金額でもありません。 この一文をページの中に必ず書きます。書かずに「〇〇万円」とだけ出すと、実際より安く見せた表示だと受け取られる余地が残ります。
景品表示法5条2号は、価格その他の取引条件について、実際のものよりも「著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの」を禁じています(出典: e-Gov 不当景品類及び不当表示防止法(新しいタブで開く))。有利誤認表示と呼ばれるものです。
4つ目は特に注意が必要です。大きな文字で安い金額を出し、適用条件を小さな注記で補う表示は「打消し表示」と呼ばれ、消費者庁が表示規制の論点として整理しています(参考: 消費者庁 表示規制に関するガイドライン等(新しいタブで開く))。金額と条件は同じ大きさ・同じ場所に置くのが安全です。
正式見積そのものについては、建設業法20条にも定めがあります。同条4項は次のとおりです。
建設業者は、建設工事の注文者から請求があつたときは、請負契約が成立するまでに、当該材料費等記載見積書を交付しなければならない。
(出典: e-Gov 建設業法(新しいタブで開く)。同条1項は、材料費・労務費等の内訳と工程ごとの日数を記載した見積書を作成するよう努める義務を定めています)
つまり正式見積は法律が形式まで気にする書面で、LPに出す概算とは別物です。この違いは概算見積と正式見積は何が違うのかで詳しく書きました。LPの側では「これは概算です」と線を引き、正式見積は現地調査のあとに書面で出す、と流れを見せるのが正しい形です。
自社のLPを1枚作り直して分かったこと
ここからは私たちの一次体験です。私たちはリフォーム会社向けの概算見積エンジン「メヤス」のLPを、2026年8月2日に13点のフィードバックをもとに1枚まるごと作り直しました。公開しているLPは、ヒーロー(ファーストビュー)+12ブロックの計13ブロックで構成しています。
そのとき何を直したかが、そのままリフォーム会社のLPにも当てはまります。
1. 数字の出典セクションを独立させた。 本文の統計に注記番号を振り、ページ下部に「調査主体・年・n数・解釈」を並べたブロックを新設しました。数字だけ書いて出典が無いと、読む人は数字ごと信じません。
2. リード単価の「計算過程」を開示した。 月間訪問500人 × 入力完了5% × 問い合わせ20% = 月5件、費用8万円 ÷ 5件 = 1件あたり1.6万円という試算を、仮定A・B・Cを明示して図にしました。結果だけ出すと約束に見えるので、「保証ではなく試算」と本文に書いています。リフォーム会社のLPでも、工期や費用の数字は同じ扱いにします。
3. 「〜できます」を「〜します」に直した。 装飾的な見出しやリード文17か所を、内容・数字・免責は変えずに短く言い切る形に書き換えました。文が短くなるほど、何を引き受けて何を引き受けないかがはっきりします。
4. 実際の画面のスクリーンショットを載せた。 イラストではなく、お客様が触る画面と発行される概算見積書をそのまま置きました。リフォーム会社なら、ここが施工事例の写真にあたります。
5. 問い合わせの手前をやわらかくした。 主ボタンは「無料の現地調査を依頼する」ですが、その下に小さく「いきなり現地調査はちょっと…という方は、まずは相談だけでも大丈夫です」という別の入口を置いています。1つの出口に絞りつつ、温度の低い人の逃げ道を1本だけ残す形です。
もう1つ、価格表の設計から得た判断があります。標準の価格表は50行あり、全50行が「下限・上限」の2つの数字を持っています。平均値1点に潰せば画面はすっきりしますが、下限が期待値として一人歩きします。だから幅のまま出す設計にしました。実際の画面でも、キッチン交換(中級グレード)なら「85〜125万円」のようにレンジで表示されます。
概算の結果画面では、「この概算に含まれるもの(商品代・標準施工費・選択したオプション・現場管理費=工事小計の10%・出張諸経費・消費税)」と「現地調査後に確定するもの(下地や配管の状態による追加補修・搬入経路による作業費・駐車場代等の実費・商品の在庫と納期)」を左右に並べ、その直下に免責文を置いています。金額のすぐ横に境界線がある状態にするのが狙いです。
そして問い合わせフォームは、金額を見せ終わってから初めて出します。工事箇所・内容・グレード・数量を選ぶ4画面では氏名も電話番号も聞かず、5画面目で本人がボタンを押したときだけフォームが出ます。順番を逆にすると、まだ相場を知らない人が全員そこで離脱します。
効果は3つの数字だけで見る
作り直したあと、見る数字を増やしすぎると判断できなくなります。LPは3つで足ります。
| 数字 | 何がわかるか | 下がっているときに直す場所 |
|---|---|---|
| 到達数 | 広告やチラシからLPまで来た人数 | LPの外(出稿・QRの置き場所) |
| 概算の入口の通過率 | 金額の手がかりまで進んだ割合 | ①〜③のブロック(順番・文言) |
| 問い合わせ率 | 概算を見た人が連絡先を残した割合 | ⑤〜⑨(内訳・身元・フォームの項目数) |
真ん中が低いなら、直すのは写真ではなくブロックの順番です。いちばん下が低いなら、フォームの入力項目か、会社の身元の見せ方です。
ホームページ側も含めて直す順番を決めたい場合は、リフォーム集客のためのホームページ改善と、集客手段そのものを選ぶ1件あたりの獲得コストの考え方が対になります。見積まわりの記事はリフォーム見積の基礎ガイドにまとめてあります。
まとめ:白紙に9行書くところから
LP制作は、デザインの相談から始めると迷います。白紙に9つのブロック名を上から書き、それぞれに「ここで読者は何を判断するか」を1行ずつ添える。それだけで、制作会社への発注要件にも、自分で作り直すときの設計図にもなります。
金額を載せるなら、「概算であって正式見積ではない」と書くこと、幅で出すこと、含まない範囲を対で書くこと。この3つは省略できません。
自社サイトに概算見積を置きたい会社様へ。 私たちは価格表の整備から画面・計測までを引き受ける形でメヤス(新しいタブで開く)を提供しています。
よくある質問
Q. LPとホームページ、どちらを先に作るべきですか。
広告やチラシを出す予定があるならLPが先です。出稿の受け皿が無いまま広告を出すと、費用がそのまま消えます。逆に広告の予定が無いなら、検索で見つかる本サイト側を先に整えるほうが先に効きます。両方を同時に作り直すのは、効果の切り分けができなくなるので避けます。
Q. LPに金額を書くと、安い会社と比べられて不利になりませんか。
比較は金額を書かなくても起きます。書かない場合、比較の場が他社サイトや一括見積サイトに移るだけです。むしろ幅(下限〜上限)と、その幅がどこで決まるか(下地の状態・搬入経路など)を先に説明しておくと、価格だけの比較から抜けやすくなります。前掲の2025年度調査でも、事業者を選んだ理由の第3位は「工事価格の透明さ・明朗さ」で30.1%でした。
Q. LPに出した概算金額に、あとから縛られますか。
概算は正式な見積書でも契約金額でもありません。ただし、そう書いていなければ読む人はそう受け取りません。ページに「概算であり、正式なお見積り・契約金額ではありません」と明記し、含まれない範囲を併記することが前提になります。正式な見積書については建設業法20条に定めがあり、注文者から請求があったときは契約成立までに材料費等記載見積書を交付しなければなりません。
Q. 施工事例は何件くらい載せればよいですか。
件数より中身です。同じ工事種別で、金額帯の違う3〜5件をそろえるほうが、20件を種別ばらばらに並べるより判断材料になります。1件ごとに「工事内容・かかった期間・費用の帯・何が金額を動かしたか」を書くと、読む人は自分の家に置き換えられます。
Q. 制作会社に頼む場合、何を渡せばよいですか。
このページの9ブロックの並びと、各ブロックで読者に何を判断させたいかの1行メモです。加えて、金額を載せるかどうかの方針と、載せる場合の免責文言を自社で決めて渡します。デザインは任せられますが、載せる金額の範囲と免責は自社の責任になるためです。
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#メヤス#リフォーム#集客