リフォーム集客の媒体比較——費用より先に「役割」で分ける4つの段階
リフォーム集客の媒体比較は、費用の安い順に並べるより先に、「検討のどの段階で、何を渡す媒体か」という役割で分けるのが近道です。住宅リフォーム推進協議会の2025年度調査では、リフォームを検討中の人の情報源はインターネット計37.2%・テレビ29.8%が上位でした。一方で実際にリフォームした人では、「いつも工事を依頼している業者」25.1%が最も多くなっています。

つまり、名前を知ってもらう媒体と、最後に決めてもらう媒体は別物です。この記事では、媒体を4つの役割に分ける表と、媒体ごとに「書いてよいこと」の線、そして私たちが自社サイトという媒体の立ち上がりを実際に測った数字を、出典つきで整理します。
リフォーム集客の媒体比較は「費用」より「役割」で行う
チラシ、ポータルサイト、Instagram、Googleの地図、自社のホームページ。媒体を比べるとき、つい「1件あたりいくらか」だけで横に並べたくなります。費用の比べ方そのものは大事で、リフォーム会社の集客方法を1件あたりの獲得コストで選ぶ考え方とポータルサイトの手数料の比べ方に分けて書きました。
ただ、費用だけで比べると見落とすことがあります。問い合わせの直前にいる媒体ほど、数字が良く見えやすいことです。その前の段階で名前を知ってもらった媒体の働きは、問い合わせの台帳には残りません。
だからこの記事では、費用の話はいったん横に置きます。先に「この媒体は、お客様のどの段階を担当しているのか」を決める。費用の比較は、同じ役割の媒体どうしで行う、という順番です。
検討中の人と実施した人では、見ている情報源が違う
まず、施主側が何を見ているかの数字です。住宅リフォーム推進協議会は毎年、リフォームを検討中の人と実施した人に、工事業者などの情報をどこから得たかを聞いています。

| 情報源(複数回答) | 検討者 | 実施者 |
|---|---|---|
| インターネット計 | 37.2% | 29.0% |
| テレビ(番組・CM) | 29.8% | 14.9% |
| いつも工事を依頼している業者 | 22.6% | 25.1% |
| チラシや広告誌 | 20.2% | 15.1% |
| 企業のショールーム | 17.3% | 13.5% |
| 友人・知人 | 14.3% | 13.8% |
| 営業担当(不動産会社・リフォーム事業者) | 7.6% | 12.7% |
| SNS | 8.0% | 5.1% |
出典: 住宅リフォームに関する消費者(検討者・実施者)実態調査報告書 2025年度(新しいタブで開く)(住宅リフォーム推進協議会、調査期間2025年7月18日〜8月1日、インターネット調査)。
読むときの注意が1つあります。検討者と実施者は別の人たちで、同じ人を追いかけた数字ではありません。なので「検討から実施へ進むと人はこう変わる」とは言い切れず、傾向として読むのが正しい使い方です。
それでも、並べると形ははっきりしています。テレビやチラシのような広く届く媒体は検討者側で高く、付き合いのある業者や営業担当といった「人とのつながり」は実施者側で高い。同じ調査で、検討者のうち70代以上に絞ると、チラシや広告誌は27.6%、いつも工事を依頼している業者は38.6%でした。年代によって、効く媒体の重さも変わります。
媒体を4つの役割に分ける
上の数字をふまえて、媒体を4つの役割に分けます。役割とは「お客様のどの段階で、何を渡すか」のことです。
| 役割 | お客様の段階 | 主な媒体 | この役割で見る数字 |
|---|---|---|---|
| ① 知ってもらう | まだ業者を探していない/探し始め | テレビ・チラシ・ポスティング・SNS | 問い合わせ時の「何で知ったか」の回答数 |
| ② 比べてもらう | 何社かを見比べている | 一括見積ポータル・施工事例(自社サイト・SNS) | 見比べた末に自社を選んだ件数 |
| ③ 問い合わせてもらう | 1社か2社に絞った | 自社サイトのフォーム・電話・Googleの地図(ビジネスプロフィール) | 問い合わせ数と、どのページから来たか |
| ④ また頼んでもらう | 工事が終わった後 | 点検の連絡・ハガキ・LINE・紹介 | 再依頼と紹介の件数 |
この表の見方は2つあります。1つは、同じ役割に媒体が重なっていないか。もう1つは、どの媒体も担当していない役割がないかです。
たとえばチラシとSNSとポータルに同時にお金を出していても、全部が①と②に集まっていれば、③の受け皿が弱いまま、問い合わせの直前で取りこぼします。逆に④が空いていると、調査で実施者の25.1%が挙げた「いつもの業者」になる機会を、毎回手放すことになります。
なお、どの媒体がどの役割に強いかは、地域や工事の種類、会社の規模で変わります。表は出発点としての目安で、最終的には自社の台帳の数字で書き換えてください。
自社サイトは「立ち上がりが遅い媒体」——私たちの実測
自社サイトは、③の受け皿でありながら、①や②も少しずつ担える媒体です。支払いをやめても、公開したページは残ります。ただし、効き始めるまでに時間がかかることを、私たちは自分たちの数字で確かめました。
私たちはリフォーム会社向けの概算見積シミュレーター「メヤス」を開発しています。その製品サイトを、2026年8月30日に検索エンジンへ公開しました(それまでは検索に載せない設定でした)。
このブログも同じです。8月3日からリフォーム・見積の記事を書き続け、いまは33本あります。狙う検索語55個の順位を毎日記録していますが、8月29日から9月17日までに一度でも表示が記録されたのは12語で、最も良い平均順位は11位、クリックは期間を通じて0回でした。
ここから言えるのは、自社サイトは「作ったら来月から問い合わせが来る」媒体ではないということです。だから、他の媒体を止めて乗り換えるのではなく、並べて走らせながら比率を変えていくのが現実的です。検索に存在を伝える手前の段の話は、工務店のWeb集客は何から始めるかに詳しく書きました。
もう1つ、予想していなかった発見がありました。表示された3つの検索語は、どれも施主ではなくリフォーム会社側の言葉でした。ところが表示されたデモ画面は、施主が金額を試す画面として作ってあり、会社向けの製品説明へ戻る道がありませんでした。
媒体に役割を決めていないと、来た人を次の段階へ送れません。私たちは9月16日に、デモ画面の説明文を会社向けに書き直し、製品説明ページへの入口を1つ足しました。
媒体ごとに「書いてよいこと」の線が違う
媒体の役割を分けると、それぞれで気をつける表示のルールも見えてきます。ここは法律が関わるので、一般的な線だけを出典つきで示します。
SNSで投稿をお願いする場合。2023年10月1日から、いわゆるステルスマーケティング(広告なのに広告だと分からない宣伝)は景品表示法の違反になりました。消費者庁は、規制の対象を次のように説明しています。
一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示
>
— 消費者庁 ステルスマーケティングに関する景品表示法の規制(新しいタブで開く)
同じページでは、企業がインフルエンサーなどの第三者に依頼・指示して投稿させるものも「事業者の表示」に含まれると説明されています。そして規制を受けるのは、依頼した側の事業者です。施主さんや知り合いに施工事例の投稿を頼むなら、広告であることが見て分かる形にするのが安全です。
Googleのクチコミを集める場合。Googleのポリシーは、金銭・割引・無料のサービスなどと引き換えにクチコミの投稿を求めることと、良い評価だけを選んで募ることを禁止しています(Google マップのユーザー投稿コンテンツに関するポリシー「禁止および制限されているコンテンツ」(新しいタブで開く))。「工事後アンケートで満足と答えた人にだけ口コミを頼む」運用は、この線に近づきます。
金額を載せる場合。チラシでも自社サイトでもSNSでも、「◯万円〜」のような金額を出すなら、それが概算であり、正式な見積や契約金額ではないことと、その前提条件を並べて書きます。条件を書かずに安い金額だけを見せると、景品表示法(新しいタブで開く)5条2号の有利誤認(実際より有利だと思わせる表示)と受け取られる余地が生まれます。
来月から始める、媒体の役割分担の手順
最後に、手元の媒体を役割で並べ直す手順です。新しい媒体を足す前に、今ある媒体の担当を決めるところから始めます。
- 今お金か時間を使っている媒体を全部書き出し、4つの役割のどれか1つに割り当てる
- 役割が重なっている媒体と、どの媒体も担当していない役割に印をつける
- 問い合わせを受けたら「何で当社を知りましたか」を1問だけ聞き、複数回答のまま台帳に残す
- 同じ役割の媒体どうしで、受注1件あたりの費用を比べる
- 3か月ごとに表を見直し、空いた役割に予算か手間を少しずつ移す
手順3がいちばん大事です。問い合わせフォームの「どこで知りましたか」が空欄のままだと、①の役割の媒体は永久に「効いていない」と判定されてしまいます。相場を知ってから問い合わせる人がなぜ商談に進みやすいかは、リフォームの反響営業と温度感で心理学の面から整理しています。
自社サイトに概算見積を置きたい会社様へ。③の受け皿に「問い合わせの前に金額の目安が分かる入口」を加える形は、メヤスの製品ページ(新しいタブで開く)で導入の流れと一緒に紹介しています。リフォームの見積に関する記事の一覧はリフォーム見積のまとめにあります。
よくある質問
Q. 集客の媒体はいくつ使えばいいですか。
数に正解はありません。見るべきは、4つの役割(知ってもらう・比べてもらう・問い合わせてもらう・また頼んでもらう)がそれぞれ埋まっているかです。少人数の会社なら、各役割に1つずつ担当の媒体があれば十分に回り始めます。
Q. チラシはもう効かないのでしょうか。
住宅リフォーム推進協議会の2025年度調査では、チラシや広告誌を情報源に挙げた人は検討者で20.2%、実施者で15.1%でした。検討者の70代以上では27.6%です。「効かない」と決めつけるより、①の役割の媒体として、問い合わせ時の「何で知ったか」で測るのがおすすめです。
Q. 施主さんにInstagramへの投稿をお願いしても大丈夫ですか。
お願いすること自体が禁止されているわけではありません。ただ、事業者が依頼・指示した投稿は「事業者の表示」に含まれ、広告だと分からない形だとステルスマーケティング規制の対象になりえます。広告であることが見て分かる表示にし、個別の判断は消費者庁の資料や専門家に確認してください。
Q. 自社サイトができたら、ポータルサイトはやめられますか。
すぐにやめるのはおすすめしません。私たちの実測でも、製品サイトを検索に公開してから約2週間で表示された実際の検索語は3つ、クリックは0回でした。自社サイトを育てながら、ポータルへの依存の比率を少しずつ下げる順番が現実的です。
Q. サイトに概算金額を載せたら、その金額で契約しなければいけませんか。
概算は検討のための目安で、正式な見積や契約金額ではありません。載せる側は、概算であることと前提条件、正式見積までの流れを並べて示すことが大切です。個別の契約や表示の判断は専門家にご確認ください。
本記事は一般的な情報提供であり、個別の経営判断や法的助言ではありません。調査の数字は出典の報告書に基づき、私たちの実測値は記載した期間・条件のものです。
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#メヤス#リフォーム#集客