
第44話 広島中央保健生協事件(妊娠を伝えた後の降格)
論点: 妊娠中の軽易業務への転換を契機とした降格は違法か ― 「渋々ながら」の了解は自由な意思に基づく承諾といえるか
最高裁 第一小法廷 平成26年10月23日判決(民集68巻8号1270頁)― 差戻審 広島高裁 平成27年11月17日判決(労働判例1127号5頁)
病院で働く理学療法士は、第2子の妊娠で労働基準法65条3項の権利を使い、訪問リハビリから病院リハビリへの転換を求めました。すると上司から電話で「移る先には副主任は要らない」と伝えられ、渋々ながら了解。育休を経て復帰すると、職歴が6年短い職員が副主任になっていて、自分は戻されませんでした。一審・二審は本人の同意があったとして生協の勝ち。最高裁第一小法廷は、男女雇用機会均等法9条3項を強行規定(当事者の合意では外せない決まり)とし、妊娠中の軽易業務への転換を「契機として」降格させる措置は原則としてこの条項が禁止する取扱いに当たり、例外は自由な意思に基づく承諾か特段の事情の二つだけだとして、二審を破棄し差し戻しました。この回では均等法9条3項と育児介護休業法10条を条文から順に整理します。
- 広島中央保健生協事件
- 男女雇用機会均等法9条3項
- 妊娠を契機とする降格
- 労働基準法65条3項
- 育児介護休業法10条
- 自由な意思に基づく承諾
- 東朋学園事件




