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民法の判例

レイの法廷【アニメで判例解説】

権利の濫用・取得時効と登記・親の監督責任・損害賠償の額など、暮らしと取引の基本になる判例を扱います。

公開中 13話・公開予定 3話(新しい順)

民法の各話(13話)

  • 第48話「相続放棄の熟慮期間の起算点(あとで親の借金を知ったとき)」のサムネイル
    EP.4810月17日 11:00 公開予定

    第48話 相続放棄の熟慮期間の起算点(あとで親の借金を知ったとき)

    論点: 承認か放棄かを決める3か月はいつから数えるか ― 相続財産が全く存在しないと信じた場合の例外

    最高裁 第二小法廷 昭和59年4月27日判決(昭和57年(オ)第82号・民集38巻6号698頁)

    父が亡くなって約1年後、子どもたちのもとに裁判所から届いたのは、父あての一審判決でした。父は家族と行き来が途絶えたあとに1,000万円の債務の連帯保証人になっており、生活保護を受けて一人で暮らしていました。債権者は「死亡を知ってから3か月を過ぎている」として相続放棄は無効だと争います。最高裁第二小法廷は、相続財産が全く存在しないと信じ、被相続人の生活歴や交際状態から財産の調査を期待することが著しく困難でそう信じたことに相当な理由があるときは、承認か放棄かを決める3か月(熟慮期間)は「相続財産の全部又は一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべき時」から数えるとして、放棄を有効としました(5人のうち1人は反対意見)。この回では民法896条・915条・921条を条文の順にたどります。

    • 熟慮期間
    • 相続放棄
    • 民法915条
    • 民法921条
    • 民法896条
    • 法定単純承認
    • 起算点
    • 限定承認

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  • 第47話「預貯金と遺産分割(亡くなった人の預金は誰のものか)」のサムネイル
    EP.4710月15日 18:00 公開予定

    第47話 預貯金と遺産分割(亡くなった人の預金は誰のものか)

    論点: 預貯金は相続開始と同時に当然に分割されるか ― 遺産分割の対象になるかで生前贈与の扱いがどう変わるか

    最高裁 大法廷 平成28年12月19日決定(民集70巻8号2121頁)

    平成24年3月に亡くなった人が残したのは、不動産258万1,995円と預貯金。相続人は二人で、その一方には生前に約5,500万円の贈与(特別受益)がありました。家庭裁判所と原審の大阪高裁は、預貯金は相続開始と同時に相続分に応じて当然に分割され、全員の合意がない限り遺産分割の対象にならないとしました。これでは生前の贈与を計算に入れる場がほとんど残りません。最高裁大法廷は、普通預金が1個の債権として残高を変え続けること、定期貯金が分割払戻しを制限されていることを挙げ、預貯金は「当然に相続分に応じて分割されることはなく、遺産分割の対象となる」として、昭和29年以来の扱いを変更し差し戻しました。相続財産の共有(民法898条)から、2019年に始まった払戻し制度(909条の2)までを条文の順にたどります。

    • 預貯金と遺産分割
    • 民法898条
    • 民法903条
    • 特別受益
    • 可分債権
    • 民法909条の2
    • 判例変更

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  • 第46話「相当程度の可能性(救急で亡くなった患者と医師の責任)」のサムネイル
    EP.46まもなく公開

    第46話 相当程度の可能性(救急で亡くなった患者と医師の責任)

    論点: 助かったと言い切れないとき医師は責任を負わないのか ― 生存していた「相当程度の可能性」という利益

    最高裁 平成12年9月22日判決(平成9年(オ)第42号・民集54巻7号2574頁)

    平成元年7月8日の午前4時半ころ、突然の背中の痛みで目を覚ました男性が、息子の運転で夜間救急へ向かいました。医師は「第一次的に急性すい炎、第二次的に狭心症を疑った」ものの、血圧や脈拍の測定も心電図もしないまま点滴へ移り、男性は5分ほどで意識を失い、午前7時45分ころ亡くなりました。死因は狭心症から進んだ心筋こうそくでした。二審の東京高裁は「救命し得たであろう高度の蓋然性までは認めることはできない」としつつ「これを救命できた可能性はあった」と認めて慰謝料200万円を命じ、最高裁は、生存していた相当程度の可能性は法によって保護されるべき利益だとしてこれを認めました。この回では民法709条の要件から、因果関係に求められる「高度の蓋然性」(ほぼ確実といえる見込み)の壁、そして何を証明するかを変えたこの判決までを順に整理します。

    • 相当程度の可能性
    • 医療過誤
    • 民法709条
    • 高度の蓋然性
    • 因果関係
    • 慰謝料
    • 期待権
    • ルンバール事件

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  • 第32話「リツイート事件(著作者人格権・氏名表示権)」のサムネイル
    EP.322026年9月25日 公開

    第32話 リツイート事件(著作者人格権・氏名表示権)

    論点: 複製も送信もしていないリツイートが、なぜ氏名表示権の侵害になるのか

    最高裁 令和2年7月21日判決(民集74巻4号1407頁)

    写真家が「©」と自分の名前を入れて公開していた写真が無断で投稿され、さらにリツイートされました。タイムラインではツイッターの仕様で画像の上下が切れ、著作者名が消えていました。画像ファイル自体は複製も改変もされていません。最高裁は、著作権法19条1項は複製権や公衆送信権の侵害を伴うことを求めていないとしたうえで、リツイートした人は「それを認識しているか否かにかかわらず」そのシステムを利用して行為した以上、氏名表示権の侵害に当たるとしました。反対意見と補足意見まで扱います。

    • リツイート事件
    • 著作者人格権
    • 氏名表示権
    • 著作権法19条
    • 発信者情報開示
    • インラインリンク
  • 第30話「有責配偶者からの離婚請求(「踏んだり蹴たり」判例の変更)」のサムネイル
    EP.302026年9月22日 公開

    第30話 有責配偶者からの離婚請求(「踏んだり蹴たり」判例の変更)

    論点: 婚姻を破綻させた側からの離婚請求は認められるか ― 信義則による三つの要件

    最高裁 昭和62年9月2日大法廷判決(民集41巻6号1423頁)

    不貞をして家を出た夫が、約36年の別居を経て妻に離婚を求めました。昭和27年の最高裁判決は同様の請求を「全く俗にいう踏んだり蹴たり」として退けていましたが、昭和62年、大法廷は裁判官15人の全員一致でこの立場を改め、別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、未成熟の子が存在せず、相手方が離婚により極めて苛酷な状態に置かれる等の特段の事情がない限り、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって許されないとすることはできないとしました。

    • 有責配偶者
    • 離婚請求
    • 民法770条
    • 信義則
    • 破綻主義
    • 踏んだり蹴たり
  • 第29話「東大病院ルンバール事件(因果関係の証明)」のサムネイル
    EP.292026年9月21日 公開

    第29話 東大病院ルンバール事件(因果関係の証明)

    論点: 訴訟上の因果関係の立証 ― 自然科学的証明ではなく「高度の蓋然性」

    最高裁 昭和50年10月24日判決(民集29巻9号1417頁)

    化膿性髄膜炎で入院し回復しつつあった3歳の幼児が、腰椎穿刺(ルンバール)の15〜20分後にけいれんの発作を起こし、重い後遺症が残りました。二審は原因を判定しがたいとして因果関係を否定しましたが、最高裁は、訴訟上の因果関係の立証は一点の疑義も許されない自然科学的証明ではなく、経験則に照らして全証拠を総合検討し「高度の蓋然性」を証明することであり、通常人が疑いを差し挟まない程度に真実性の確信を持ちうれば足りるとして、因果関係を認めました。

    • ルンバール事件
    • 因果関係
    • 高度の蓋然性
    • 民事訴訟法247条
    • 民法709条
    • 医療訴訟
  • 第28話「年少女子の逸失利益と家事労働分」のサムネイル
    EP.282026年9月20日 公開

    第28話 年少女子の逸失利益と家事労働分

    論点: 女子の逸失利益に「家事労働分」を加算できるか ― 二重評価と男女間格差

    最高裁 昭和62年1月19日判決(民集41巻1号1頁)

    自転車で国道を走っていた14歳の女子中学生が大型貨物自動車に追突され亡くなりました。一審は賃金センサスの女子平均給与額に家事労働分として年60万円を加算しましたが、最高裁は、専業就労を前提に平均給与額で算定する以上これに家事労働分を加算することは将来の利益を二重に評価することになり相当でないとし、男女間の賃金格差の解消を加害者に負担させることも必ずしも合理的とはいえないとしました。逸失利益の計算式と、14年後に流れを変えた東京高裁の判断まで扱います。

    • 逸失利益
    • 年少女子
    • 賃金センサス
    • 民法709条
    • 二重評価
    • 男女間格差
  • 第27話「JR東海事件(認知症の家族と監督義務者の責任)」のサムネイル
    EP.272026年9月18日 公開

    第27話 JR東海事件(認知症の家族と監督義務者の責任)

    論点: 同居の配偶者は「法定の監督義務者」に当たるか ― 準ずべき者への類推適用

    最高裁 平成28年3月1日判決(民集70巻3号681頁)

    重い認知症で責任能力のない91歳の男性が線路に立ち入り列車と衝突し、鉄道会社が85歳の妻と別居の長男に賠償を求めました。最高裁は、民法752条の同居・協力・扶助の義務は夫婦が相互に負う義務であって第三者との関係で作為義務を課すものではないとし、同居の配偶者であることだけでは民法714条1項の法定の監督義務者に当たらないと判断。さらに「法定の監督義務者に準ずべき者」の枠組みを示したうえで、妻も長男もこれに当たらないとしました。第26話のサッカーボール事件との2連作です。

    • JR東海事件
    • 認知症
    • 民法714条
    • 法定の監督義務者
    • 民法752条
    • 民法713条
  • 第26話「サッカーボール事件(子どもの事故と親の監督責任)」のサムネイル
    EP.262026年9月16日 公開

    第26話 サッカーボール事件(子どもの事故と親の監督責任)

    論点: 責任能力のない子の行為 ― 親はどこまで責任を負うのか(民法714条1項ただし書)

    最高裁 平成27年4月9日判決(民集69巻3号455頁)

    放課後に開放された校庭で11歳の少年が蹴ったサッカーボールが門扉を越えて道路へ転がり、避けようとしたバイクの男性が転倒して負傷し、約1年後に亡くなりました。一審・二審は両親に賠償を命じましたが、最高裁は、通常は人身に危険が及ぶとはみられない行為でたまたま損害が生じた場合は、具体的な予見可能性など特別の事情がない限り監督義務を尽くしていなかったとすべきではないとして、両親の責任を否定しました。民法709条・712条・714条の「責任の階段」から扱います。

    • サッカーボール事件
    • 民法714条
    • 監督義務者責任
    • 責任能力
    • 民法712条
    • 免責
  • 第25話「エホバの証人輸血拒否事件」のサムネイル
    EP.252026年9月14日 公開

    第25話 エホバの証人輸血拒否事件

    論点: 輸血を拒否する意思決定は人格権か ― 説明を怠った医師の不法行為責任

    最高裁 平成12年2月29日判決(民集54巻2号582頁)

    宗教上の信念からいかなる場合にも輸血を拒否する患者に、病院は「いざとなれば輸血する」方針を説明しないまま手術をし、輸血をしました。命は救われましたが、最高裁は、輸血を拒否するという意思決定をする権利を「人格権の一内容」とし、説明を怠って手術を受けるかどうかの選択の機会を奪った医師らの不法行為責任を認めました。不法行為(民法709条)と使用者責任(715条)の関係も砕いて扱います。

    • 輸血拒否
    • 自己決定権
    • 人格権
    • 民法709条
    • 民法715条
    • 説明義務
  • 第13話「抵当権に基づく妨害排除請求」のサムネイル
    EP.132026年9月3日 公開

    第13話 抵当権に基づく妨害排除請求

    論点: 抵当権と妨害排除請求(民法369条)

    最高裁 平成17年3月10日判決(民集59巻2号356頁)

    十七億円をかけて建てたホテル。代金は払われず、担保の抵当権だけが残りました。建物には「借りている」と主張する者が居座り、競売は進みません。抵当権は物を使う権利を含まない担保です。それでも最高裁は、この籠城を排除しました。しかも勝っても家賃相当の損害金は取れない——「使えない権利」の本質が最後に効いてきます。

    • 抵当権
    • 妨害排除請求
    • 民法369条
    • 競売
    • 執行妨害
  • 第10話「背信的悪意者」のサムネイル
    EP.102026年8月31日 公開

    第10話 背信的悪意者

    論点: 背信的悪意者と民法177条

    最高裁 昭和43年8月2日判決(民集22巻8号1571頁)

    山を大切に育てた買主は、登記をしていませんでした。それを知って先回りし、登記だけを取った男。民法177条は「登記がなければ第三者に対抗できない」と定めますが、最高裁はこの男を保護しませんでした。早い者勝ちの原則と、その限界。「背信的悪意者」という言葉が示す線引きを、条文の趣旨から読み解きます。

    • 背信的悪意者
    • 民法177条
    • 二重譲渡
    • 対抗要件
    • 登記
  • 第8話「公序良俗と包括遺贈」のサムネイル
    EP.82026年8月29日 公開

    第8話 公序良俗と包括遺贈

    論点: 公序良俗(民法90条)と遺言の効力

    最高裁 昭和61年11月20日判決(民集40巻7号1167頁)

    妻子ある男性が、半同棲の関係にあった女性に遺産の3分の1を遺す遺言を残しました。不倫相手への遺贈は公序良俗(民法90条)に反して無効なのか。最高裁は、遺贈が関係の維持継続を目的とせず専ら女性の生活を保全するためのものであり、妻子も各3分の1を取得して生活の基盤が脅かされないことなどから、有効と判断しました。動機と内容から公序良俗違反を判定する枠組みを、答案の形まで通して解説します。

    • 公序良俗
    • 民法90条
    • 包括遺贈
    • 遺言の効力
    • 動機の不法
  • 第6話「94条2項・110条の類推適用」のサムネイル
    EP.62026年8月26日 公開

    第6話 94条2項・110条の類推適用

    論点: 登記と第三者の保護

    最高裁 平成18年2月23日判決(民集60巻2号546頁)

    権利証と実印を人に預けただけで、7300万円で買った家を失った人がいます。売った覚えは、一度もありません。それでも最高裁は、その人のふるまいを「余りにも不注意」と評し、家を買った第三者の側を守りました。民法94条2項と110条の類推適用を、登記に公信力が無いという大原則から、94条2項単独型と110条を足す型の違い、答案の書き方まで解説します。

    • 民法94条2項
    • 民法110条
    • 類推適用
    • 登記の公信力
    • 第三者保護
  • 第4話「取得時効と登記」のサムネイル
    EP.42026年8月24日 公開

    第4話 取得時効と登記

    論点: 時効取得と背信的悪意者

    最高裁 平成18年1月17日判決

    隣の会社が20年以上使い続けてきた「専用通路」。その土地を、魚屋を開くために買った夫婦がいました。紙の権利(登記)と、20年の暮らし — 高松高裁と最高裁で結論が割れます。取得時効と登記の関係を、所有と占有の違い、民法162条の長期時効・短期時効、時効と登記の5つのルール、そして背信的悪意者の基準まで通して解説します。

    • 取得時効
    • 民法162条
    • 登記と対抗
    • 背信的悪意者
    • 占有
  • 第1話「宇奈月温泉事件」のサムネイル
    EP.12026年8月21日 公開

    第1話 宇奈月温泉事件

    論点: 権利の濫用

    大審院 昭和10年10月5日判決(民集14巻1965頁)

    温泉を引く木の管が、他人の土地をわずかに通っていました。その土地を買い占めた男は、管の撤去か、買値の約27倍での買い取りかを迫ります。大審院はこの請求を「権利の濫用」として退けました。のちに民法1条3項へつながる、権利濫用法理の出発点となった判例です。

    • 権利の濫用
    • 民法1条3項
    • 妨害排除請求
    • 信玄公旗掛松事件

当事者は仮名とし、公開されている判決文の事実を基に再構成しています。

各動画の概要欄に、判決全文などの出典を載せています。解説は学習の参考としてご覧ください(法的助言ではありません)。

民法の判例についてよくある質問

民法の判例は、どこから見るとよいですか

よく見られているのは「エホバの証人輸血拒否事件」の回です。まず3分以内のショート版で事件と結論をつかみ、気になったら20分以内の講義版で条文と理由づけまで見る流れが分かりやすいです。

民法では、どんな判例を扱っていますか

権利の濫用・取得時効と登記・親の監督責任・損害賠償の額など、暮らしと取引の基本になる判例を扱います。現在は13話を公開しており、1つの判例につきショート版と講義版の2本があります。

解説の内容は、法律相談として使えますか

使えません。公開されている判決文などを基にした一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。出典は各動画の概要欄に記載しています。