
第45話 学納金返還訴訟(大学を辞退したときの入学金と授業料)
論点: 入学を辞退したら納めたお金は戻るのか ― 不返還特約と消費者契約法9条1号の「平均的な損害」
最高裁 平成18年11月27日判決(平成17年(受)第1158号・民集60巻9号3437頁)
「いったん提出した入学手続書類及び入学者納入金はいかなる理由があっても返還しない」。平成14年の春、私立大学に合格した学生が入学金26万円・授業料等42万円など計69万円を納め、3月29日ころ電話で辞退しました。書面が届いたのは4月3日で、二審の東京高裁は一円も返しませんでした。最高裁は、本人の確定的な意思が表示されていれば電話でも辞退は有効とし、入学金は「学生が当該大学に入学し得る地位を取得するための対価」なので戻らない一方、授業料等を返さない特約は「損害賠償額の予定又は違約金の定め」であり、消費者契約法9条1号により大学の「平均的な損害」を超える部分は無効、3月31日までの辞退なら原則として損害はないとして43万円の返還を命じました。この回では民法420条(賠償額の予定)から消費者契約法9条1号までを条文の順にたどり、3月31日の線がどこから来たのかを整理します。
- 学納金返還訴訟
- 消費者契約法9条1号
- 平均的な損害
- 不返還特約
- 民法420条
- 在学契約
- 入学金
- 推薦入試


