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刑法の判例

レイの法廷【アニメで判例解説】

正当防衛・因果関係・不作為犯・詐欺・放火など、犯罪が成立するかどうかの分かれ目を扱います。

公開中 16話・公開予定 1話(新しい順)

刑法の各話(16話)

  • 第49話「永山事件(裁判所が死刑を選ぶときの九つの物差し)」のサムネイル
    EP.4910月18日 11:00 公開予定

    第49話 永山事件(裁判所が死刑を選ぶときの九つの物差し)

    論点: 犯行時19歳の少年に死刑を選んでよいか ― 死刑の選択が許される場合の基準

    最高裁 第二小法廷 昭和58年7月8日判決(昭和56年(あ)第1505号・刑集37巻6号609頁)

    昭和43年10月、東京と京都で警備員が、函館と名古屋でタクシーの運転手が、けん銃で撃たれて亡くなりました。撃ったのは19歳の少年、一か月足らずで4人でした。一審は死刑、二審の東京高裁は育った環境から精神的な成熟度は18歳未満と同視できるなどとして無期懲役に変えました。最高裁第二小法廷は、犯行の罪質・動機・態様、結果の重大性ことに殺害された被害者の数、遺族の被害感情、社会的影響、犯人の年齢、前科、犯行後の情状の九つを併せ考え、「罪刑の均衡の見地からも一般予防の見地からも極刑がやむをえないと認められる場合には、死刑の選択も許される」と示して、全員一致で高裁判決を破棄し差し戻しました。この回は、条文が定めるのは刑の幅だけであること、少年法51条までを順に整理します。死刑制度の是非は扱いません。

    • 永山事件
    • 死刑の選択基準
    • 刑法199条
    • 少年法51条
    • 罪刑の均衡
    • 一般予防
    • 量刑
    • 裁判員裁判

    公開前のため、時刻までは動画を再生できません。

  • 第23話「偽装心中事件(追死を装った殺人)」のサムネイル
    EP.232026年9月12日 公開

    第23話 偽装心中事件(追死を装った殺人)

    論点: 騙されて生じた死の決意は「自由な真意」か ― 自殺関与罪と殺人罪の境界

    最高裁 昭和33年11月21日判決(刑集12巻15号3519頁)

    「一緒に死のう」と言って毒を渡し、自分は後を追わなかった男。女性は男の追死を信じて心中を決意し、青化ソーダを飲んで亡くなりました。弁護側は「本人が死を決意していたのだから自殺関与の罪にすぎない」と主張しましたが、最高裁は、騙されて生じた決意は「自由な真意に基かない」として通常の殺人罪を認めました。被害者の同意が有効になる条件を、民法の錯誤とも比べながら扱います。

    • 偽装心中
    • 殺人罪
    • 自殺関与罪
    • 刑法202条
    • 被害者の同意
    • 錯誤
  • 第22話「自動車の一時使用事件(使用窃盗)」のサムネイル
    EP.222026年9月11日 公開

    第22話 自動車の一時使用事件(使用窃盗)

    論点: 不法領得の意思 ― 返すつもりの一時使用は窃盗か

    最高裁 昭和55年10月30日決定(刑集34巻5号357頁)

    深夜の給油所から他人の車を無断で乗り出し、四時間あまり乗り回した男。朝までに元の場所へ戻すつもりでした。それでも最高裁は、数時間にわたり完全に自己の支配下に置く意図で乗り出した以上、不正領得の意思があると判断しました。条文には書かれていない「不法領得の意思」の二つの部品(権利者排除意思と利用処分意思)を、書類をだまし取って捨てるだけだった事件との対比で扱います。

    • 不法領得の意思
    • 使用窃盗
    • 刑法235条
    • 権利者排除意思
    • 利用処分意思
  • 第21話「誤振込み事件(誤った振込みと詐欺罪)」のサムネイル
    EP.212026年9月10日 公開

    第21話 誤振込み事件(誤った振込みと詐欺罪)

    論点: 誤振込みを知りながら黙って払戻しを受けることは詐欺罪か

    最高裁 平成15年3月12日決定(刑集57巻3号322頁)

    自分の口座に、覚えのない七十五万円。民法上は受取人の預金債権が成立するのに、最高裁は、銀行実務の組戻しの仕組みから受取人には誤振込みを告知すべき信義則上の義務があるとし、それを秘して払戻しを請求することは詐欺罪の欺罔行為に当たると判断しました。嘘を一言も言っていないのになぜ「欺いた」ことになるのか。不作為の欺罔と告知義務、ATMで下ろしていたらどうなるかまで扱います。

    • 誤振込み
    • 詐欺罪
    • 刑法246条
    • 不作為の欺罔
    • 告知義務
    • 組戻し
  • 第20話「平安神宮放火事件(現住建造物等放火と建造物の一体性)」のサムネイル
    EP.202026年9月9日 公開

    第20話 平安神宮放火事件(現住建造物等放火と建造物の一体性)

    論点: 人のいない社殿への放火が、なぜ「人が住む建物」への放火になるのか

    最高裁 平成元年7月14日決定(刑集43巻7号641頁)

    火をつけられた本殿に、その夜、人はいませんでした。ただし廻廊でつながった社務所と守衛詰所では、神職と守衛が宿直していました。弁護人は別個の建造物だと主張しましたが、最高裁は、社殿が一部への放火で全体に危険が及ぶ一体の構造であり、全体が一体として日夜人の起居に利用されていたとして、物理的にも機能的にも一個の現住建造物に当たるとしました。エレベーターの壁わずか0.3平方メートルの燃焼、住人が全員旅行中の住居など、「一つの建物」「焼損」「現住」の線引きを四つの事件で扱います。

    • 現住建造物等放火
    • 建造物の一体性
    • 刑法108条
    • 独立燃焼説
    • 焼損
    • 現住性
  • 第19話「共犯関係の解消(「おれ帰る」事件)」のサムネイル
    EP.192026年9月8日 公開

    第19話 共犯関係の解消(「おれ帰る」事件)

    論点: 途中で現場を去った共犯者は、その後の結果に責任を負うか

    最高裁 平成元年6月26日決定(刑集43巻6号567頁)

    二人で一時間以上殴り続けたあと、一人は「おれ帰る」とだけ言って家を出ました。残った男は殴り続け、被害者は死亡。最高裁は、制裁を加えるおそれが消えていないのに防止する措置を講じず成り行きに任せて去ったにすぎないとして、帰った男にも傷害致死の共同正犯を認めました。着手前に抜けた強盗の事件、追撃に加わらず無罪になった事件と並べ、「抜けた」と認められる条件を扱います。

    • 共犯関係の解消
    • 共犯からの離脱
    • 刑法60条
    • 因果的共犯論
    • 共謀の射程
  • 第18話「空気注射事件(不能犯)」のサムネイル
    EP.182026年9月7日 公開

    第18話 空気注射事件(不能犯)

    論点: 殺せない方法で殺そうとした人を、法はどこまで未遂として罰するか

    最高裁 昭和37年3月23日判決(刑集16巻3号305頁)

    保険金を狙い、姪の静脈に空気を注射させた男。その量は人を死なせる量に遠く足りませんでした。最高裁は、致死量以下でも身体的条件その他の事情によっては死の危険が絶対にないとはいえないとして殺人未遂罪を認めました。死者を刺した事件や無害なガスの無理心中まで、方法の不能と客体の不能、具体的危険説と客観的危険説の線引きを四つの事件で確かめます。

    • 不能犯
    • 未遂犯
    • 刑法43条
    • 具体的危険説
    • 客観的危険説
  • 第17話「承継的共同正犯」のサムネイル
    EP.172026年9月6日 公開

    第17話 承継的共同正犯

    論点: 途中から加わった者は、加担前の結果まで責任を負うか

    最高裁 平成24年11月6日決定(刑集66巻11号1281頁)

    深夜の駐車場で殴られ続ける二人のもとへ、一時間後に三人目の男が来ました。最高裁は、来る前にできていた傷と男の行為には因果関係がないとして、共謀加担後の傷害についてのみ共同正犯の責任を負うと判断しました。同じ「途中から」でも特殊詐欺の受け子は電話の分まで責任を負う(平成29年決定)のはなぜか。承継的共同正犯を二つの決定の対比で扱います。

    • 承継的共同正犯
    • 刑法60条
    • 因果的共犯論
    • だまされたふり作戦
    • 同時傷害の特例
  • 番外編「刑罰は、重いほどいいのか(討論対決回)」のサムネイル
    EP.16.52026年9月6日 公開

    番外編 刑罰は、重いほどいいのか(討論対決回)

    論点: 厳罰化の是非 ― 抑止力・被害者の無念・重罰の副作用・国家の間違い

    討論対決回 ― 裁判員裁判の量刑をめぐる最高裁 平成26年7月24日判決ほか

    司会も裁判長もいない討論対決。厳罰化を訴えるみょうぶ、データで挑むアイ、罪と刑の均衡を守る烏丸の三つの正義が、抑止力・被害者の無念・重罰の副作用・国家の間違いの四つのラウンドでぶつかります。結論はあえて出しません。罰の重さの線引きをどこに引くか、あなたの立場で考える回です。

    • 厳罰化
    • 抑止力
    • 応報刑論
    • 裁判員裁判
    • 量刑の公平性
  • 第16話「刑法の意義と罪刑法定主義(特別討論回)」のサムネイル
    EP.162026年9月5日 公開

    第16話 刑法の意義と罪刑法定主義(特別討論回)

    論点: なぜ人を罰してよいのか・何を罪と決めるのは誰か

    特別討論回 ― 徳島市公安条例事件(最高裁 昭和50年9月10日大法廷判決)・電気窃盗事件(大審院 明治36年5月21日判決)ほか

    判例の物語をいったん離れ、刑法そのものを正面から扱う討論回です。応報刑論と目的刑論、江戸の非公開の法典からベッカリーア、憲法31条・39条へ至る「予告してから罰する」約束(罪刑法定主義)を、電気は物か・ガソリンカーは汽車か・あいまいな条文はどこから違憲かという実例で確かめます。

    • 罪刑法定主義
    • 憲法31条
    • 憲法39条
    • 類推解釈の禁止
    • 徳島市公安条例事件
    • 応報刑論
  • 第15話「12歳養女を利用した窃盗」のサムネイル
    EP.152026年9月5日 公開

    第15話 12歳養女を利用した窃盗

    論点: 間接正犯と意思の抑圧

    最高裁 昭和58年9月21日決定(刑集37巻7号1070頁)

    盗みを働いたのは12歳の少女。しかし刑法は14歳未満を罰しません。では、盗めと命じて金を手にした養父はどうなるのか。そそのかしただけの教唆か、自ら盗んだ正犯か。最高裁は、日頃の暴行に畏怖し意思を抑圧された少女を利用したとして、窃盗の間接正犯を認めました。人を道具にするとはどういうことかを問う判例です。

    • 間接正犯
    • 意思の抑圧
    • 刑事未成年
    • 刑法41条
    • 共謀共同正犯
  • 第12話「死者の占有」のサムネイル
    EP.122026年9月2日 公開

    第12話 死者の占有

    論点: 死者の占有と窃盗罪

    最高裁 昭和41年4月8日判決(刑集20巻4号207頁)

    人を殺害した後で、その持ち物を取る気になった——この場合、何罪になるのでしょうか。持ち主はもういません。占有が失われているなら窃盗罪は成り立たないはずです。最高裁は、殺害直後に現場でなされた奪取について、なお窃盗罪の成立を認めました。「占有」とは誰の、どんな状態を指すのかを問い直す判例です。

    • 死者の占有
    • 窃盗罪
    • 刑法235条
    • 占有離脱物横領
    • 強盗殺人
  • 第9話「自招侵害」のサムネイル
    EP.92026年8月30日 公開

    第9話 自招侵害

    論点: 自招侵害と正当防衛(刑法36条1項)

    最高裁 平成20年5月20日決定(刑集62巻6号1786頁)

    夜のごみ集積所で口論になり、先に一発殴って逃げた男。自転車で追いかけてきた相手に殴り倒され、護身用の特殊警棒で殴り返しました。「殴られたから殴り返した」——この反撃を、最高裁は「反撃行為に出ることが正当とされる状況における行為とはいえない」として正当防衛を認めませんでした。自分で招いた攻撃に正当防衛は使えるのか。刑法36条の三本の柱の全体像から、条文の趣旨と答案の書き方まで解説します。

    • 自招侵害
    • 正当防衛
    • 刑法36条
    • 侵害の急迫性
    • 傷害罪
  • 第7話「クロロホルム事件」のサムネイル
    EP.72026年8月27日 公開

    第7話 クロロホルム事件

    論点: 実行の着手(早すぎた構成要件の実現)

    最高裁 平成16年3月22日決定

    保険金目当ての殺人計画。クロロホルムで眠らせ、車ごと海へ沈める——そのはずが、裁判では死因が特定できませんでした。「殺すつもりの行為」の前にすでに死んでいたかもしれないのに、殺人既遂になるのか。実行の着手(刑法43条)がどこから始まるのか、早すぎた構成要件の実現と因果関係の錯誤をどう処理するかを、答案の書き方まで解説します。

    • 実行の着手
    • 刑法43条
    • 早すぎた構成要件の実現
    • 因果関係の錯誤
    • 殺人既遂
  • 第5話「シャクティパット事件」のサムネイル
    EP.52026年8月25日 公開

    第5話 シャクティパット事件

    論点: 不作為犯(作為義務)

    最高裁 平成17年7月4日決定(刑集59巻6号403頁)

    回復の見込みがあった患者が病院から連れ出され、ホテルの一室で亡くなりました。手を下した者はいません。それでも最高裁は「何もしなかった」男に殺人罪を認めます。不作為犯の作為義務(保障人的地位)がどこから生まれるのか、殺人罪と保護責任者遺棄致死罪の分かれ目はどこかを解説します。

    • 不作為犯
    • 作為義務
    • 保障人的地位
    • 保護責任者遺棄致死罪
    • 未必の故意
  • 第3話「大阪南港事件」のサムネイル
    EP.32026年8月23日 公開

    第3話 大阪南港事件

    論点: 因果関係(危険の現実化)

    最高裁 平成2年11月20日決定

    すでに瀕死だった被害者に、正体不明の何者かが角材でとどめの一撃を加えました。それでも最高裁は、最初に殴った男に「死」の責任を認めます。条件関係の落とし穴から相当因果関係説、そして「危険の現実化」への整理まで、刑法の因果関係を1本でたどります。

    • 因果関係
    • 危険の現実化
    • 条件関係
    • 相当因果関係説
    • 傷害致死罪
  • 第2話「勘違い騎士道事件」のサムネイル
    EP.22026年8月22日 公開

    第2話 勘違い騎士道事件

    論点: 誤想過剰防衛

    最高裁 昭和62年3月26日決定(刑集41巻2号182頁)

    夜道で「女性が襲われている」と勘違いした空手三段の男。人助けのつもりの一撃が、人の命を奪いました。正当防衛(刑法36条1項)から、過剰防衛・誤想防衛・誤想過剰防衛までの分かれ目を、答案の形(構成要件該当性 → 違法性 → 責任)まで通して解説します。

    • 正当防衛
    • 刑法36条1項
    • 過剰防衛
    • 誤想防衛
    • 傷害致死罪

当事者は仮名とし、公開されている判決文の事実を基に再構成しています。

各動画の概要欄に、判決全文などの出典を載せています。解説は学習の参考としてご覧ください(法的助言ではありません)。

刑法の判例は、どの試験で問われるか

観た回の判例が、試験ではどう問われるのか。試験ごとに、科目の出題数と配点、 繰り返し問われる判例を、裁判所ウェブサイトの判決本文への直リンクで並べています。 登録は要りません。

刑法の判例についてよくある質問

刑法の判例は、どこから見るとよいですか

よく見られているのは「シャクティパット事件」の回です。まず3分以内のショート版で事件と結論をつかみ、気になったら20分以内の講義版で条文と理由づけまで見る流れが分かりやすいです。

刑法では、どんな判例を扱っていますか

正当防衛・因果関係・不作為犯・詐欺・放火など、犯罪が成立するかどうかの分かれ目を扱います。現在は16話を公開しており、1つの判例につきショート版と講義版の2本があります。

解説の内容は、法律相談として使えますか

使えません。公開されている判決文などを基にした一般的な解説であり、個別の事案についての法的助言ではありません。出典は各動画の概要欄に記載しています。