人生の目標の例12個 — 20代・30代・40代で「目的」と「目標」を分けて書く
<!-- intent: 「人生の目標に何を書けばいいか分からない」人が、他人の例を手がかりに自分の1本を今日書き切りたい | satisfied: 目的(方向)と目標(到達点)を分けたうえで、12の型から自分に近い方向を1つ選び、到達点と今日の一手まで紙に書き終え、「人生 目標 例文」「人生 目標 書き方」を再検索しなくてよい状態 | excluded: 著名人の人生目標・名言集(他人の答えを読む行為で、自分の方向が1行も決まらないため) / 転職や面接で書く「将来の目標」の例文(選考を通す文章の作法の話で、自分の人生の方向を決める作業を前に進めないため) -->

人生の目標の例は、そのまま写すものではありません。使えるようにするには、例を「目的(方向)」と「目標(到達点)」の2段に分けて読みます。 目的は終わらないもので、「どちらへ進むか」を指します。目標は終わるもので、「どこまで行くか」を日付と数で区切ったものです。
この記事では、20代・30代・40代でよく出てくる方向を12の型にして並べ、それぞれに到達点と今日の一手を付けた表を載せます。架空の人物は作りません。心理学の査読論文(専門家の審査を通った研究)2本と孫子の兵法の原文を根拠に、紙1枚・20分で自分の1本を書き切るところまで進みます。アプリは使わなくても最後まで終わります。
人生の目標の例は、「目的」と「目標」を分けて見ます
例が役に立たない一番の理由は、方向と到達点がくっついたまま書かれていることです。「健康になりたい」は方向で、終わりがありません。「半年で体重を5kg落とす」は到達点で、終わりがあります。
この2つを混ぜたまま書き写すと、終わらないものに締め切りを付けてしまったり、終わるものを一生の目標にしてしまったりします。どちらも、途中で手が止まる形です。

目的(方向)と目標(到達点)は、研究の上でも別のものです
心理学では、この2つは別の仕組みとして扱われています。目的(パーパス)は「複数の目標をまとめ、注意と資源の配りかたを決める、中心的で自己組織的な人生の狙い」と定義されています。個々の目標の上位にあり、目標が入れ替わっても残るものだとされます。
出典: McKnight, P. E., & Kashdan, T. B. (2009). "Purpose in life as a system that creates and sustains health and well-being: An integrative, testable theory." Review of General Psychology, 13(3), 242–251. doi:10.1037/a0017152(新しいタブで開く)
一方、到達点のほうには別の研究の蓄積があります。目標設定理論の35年分をまとめたレビューでは、「具体的で難易度の高い目標」のほうが、「ベストを尽くせ」式の曖昧な目標より一貫して高い成果につながることが示されています。
出典: Locke, E. A., & Latham, G. P. (2002). "Building a practically useful theory of goal setting and task motivation: A 35-year odyssey." American Psychologist, 57(9), 705–717. PubMed(新しいタブで開く)
つまり、方向は抽象のままでよく、到達点は具体でないと効きません。例を読むときにこの2段を分けておくと、「抽象的すぎて動けない」も「細かすぎて続かない」も同時に避けられます。
目的(方向)
- 終わらない
- 抽象のままでよい
- 1年は変えない
- 問いは「どちらへ」
- 無いと、目標が他人のものになる
目標(到達点)
- 終わる
- いつまでに・何を・いくつ、で書く
- 1か月ごとに見直す
- 問いは「どこまで」
- 無いと、今日の行動が決まらない
20代の例4つ — 「幅を広げる」方向から到達点を切り出す
20代でよく出てくる方向は、選択肢を減らさずに増やす側に寄ります。何が向いているかの判断材料がまだ少ないので、方向を1つに絞り込むより、試せる範囲を広げるほうが後で効きます。
| 目的(方向) | 目標(到達点・1年) | 今日の一手 |
|---|---|---|
| できることの幅を広げる | 仕事で使う道具を2つ、人に教えられる所まで覚える | 帰宅したらすぐ、机で15分だけ手を動かす |
| 一人でも食べていける腕をつける | 社外の人から仕事の相談を3件受ける | 金曜の昼休みに、学んだことを1本書いて公開する |
| 会う人の種類を増やす | 仕事と関係のない分野の人と、月1回会う | 水曜の朝、気になった人に感想を1通送る |
| 体を壊さない働き方を覚える | 週3回の運動を、1年のうち30週で守る | 起きたらまず、着替えて靴を履く |
4つとも、方向は終わっていません。終わるのは真ん中の列だけです。1年後に「2つ覚えた」が終わっても、「幅を広げる」はそのまま次の年に残ります。
30代の例4つ — 「一本に寄せる」方向から到達点を切り出す
30代で多いのは、広げた幅を1本に寄せ直す方向です。時間の制約が増え、全部を同じ強さで続けられなくなるので、捨てる側の判断が目標の中身になります。
| 目的(方向) | 目標(到達点・1年) | 今日の一手 |
|---|---|---|
| 得意を一本に寄せ、代えのきかない所をつくる | 自分の名前で指名される仕事を2本持つ | 月曜の朝、やらないと決めた依頼を1つ断る |
| 決める側に回る | 人の判断を預かる役割を1つ引き受ける | 会議の前に、自分の結論を1行だけ先に書く |
| 家族と過ごす時間を削らずに成果を出す | 残業が月20時間以内に収まる月を、10か月つくる | 18時になったら、残りを明日の先頭に書いて帰る |
| お金の不安を減らす | 生活費12か月分を貯め切る | 給料が入った日に、先に別の口座へ移す |
2行目と3行目は、一見すると方向が逆に見えます。けれども「寄せる」という点では同じで、引き受けるものを決めることと、引き受けないものを決めることは同じ作業の表と裏です。
40代の例4つ — 「渡す・残す」方向から到達点を切り出す
40代で増えるのは、自分が動くことから、自分がいなくても回る形をつくることへ重心が移る方向です。成果の持ち主を自分から外していく作業だと考えると、到達点が書きやすくなります。
| 目的(方向) | 目標(到達点・1年) | 今日の一手 |
|---|---|---|
| 自分がいなくても回る形にする | 自分しかできない作業を3つ、手順書にして人に渡す | 作業しながら、画面の手順をそのまま書き留める |
| 次の世代に経験を渡す | 後進と1対1で話す時間を、月2回つくる | 予定表に30分の枠を2つ入れる |
| もう一度、学ぶ側に戻る | 仕事と関係のない分野の講座を1つ修了する | 土曜の朝、申込ページを開いて1つ決める |
| 体力の下り坂を前提に設計し直す | 健康診断で指摘された項目を2つ減らす | 夕食の後、15分歩く |
年代の区切りは、あくまで「方向が切り替わりやすい時期」の目印です。40代で幅を広げ直すのも、20代で渡す側に回るのも、型としては成立します。自分の表を作るときは、年代の枠を越えて選んで構いません。
孫子は「水に決まった形は無い」と書いています
例をそのまま写せない理由を、孫子は2500年前に水のたとえで書いています。出典は『孫子』十三篇のうち第六篇、虚実篇です。
夫兵形象水、水之形避高而趨下、兵之形避實而擊虛。水因地而制流、兵因敵而制勝。故兵無常勢、水無常形。
読みはこうです。「それ兵の形は水に象(かたど)る。水の形は高きを避けて下(ひく)きに趨(おもむ)き、兵の形は実を避けて虚を撃つ。水は地に因(よ)りて流れを制し、兵は敵に因りて勝を制す。故に兵に常勢なく、水に常形なし。」
現代語訳はこうなります。軍の形は水に似ている。水は高い所を避けて低い所へ流れ、軍は相手の充実した所を避けて手薄な所を突く。水が地形に合わせて流れ方を決めるように、軍も相手に合わせて勝ち方を決める。だから軍に決まった勢いはなく、水に決まった形もない。
底本: 金谷治 訳注『新訂 孫子』岩波文庫、2000年改版(虚実篇の原文と訓読) — 国立国会図書館サーチ(新しいタブで開く)
人生の目標に置き換えると、「地形」にあたるのは自分の持ち時間・家族・体・いまの仕事です。例に書かれているのは水の流れ方であって、形そのものではありません。上の12個も、形としてではなく流れ方として読んでください。
12の型から自分の1本を書く手順(紙1枚・20分)
ここまでを1枚の紙に落とします。必要なのは紙とペンだけで、アプリは使いません。
- 紙を横に置き、縦線を2本引いて「目的(方向)」「目標(到達点)」「今日の一手」の3列を作る
- 上の12の型を読み、「自分に近い」と感じた方向を2つだけ、左の列に書き写す
- 2つを見比べ、来年もまだ続けていたいほうを1つ残す。残らなかったほうは紙の端に小さく残しておく
- 残した方向から、終わりのある到達点を1つ書く。「いつまでに」「何を」「いくつ」の3つが入っているか声に出して確かめる
- 到達点から、今日できる一番小さい行動を1つ選び、「いつ・どこで・何を」の形で1行だけ書く
- 紙を見える所に貼り、1か月後に真ん中の列だけ見直す。左の列は1年変えない
手順3で2つを1つに減らすのは、注意を分散させないためです。目的は1本、目標は同時に3本までに抑えると、見直しのたびに全部を読み返せます。
手順4で詰まったら、順番を逆にしても構いません。先に「来年こうなっていたら嬉しい」という到達点を書き、そこから「なぜそれが嬉しいのか」を2回たどると、左の列に書く言葉が出てきます。
先勝(Sensho)ではこうなる
紙でできた3列を、そのまま画面に持っているのが先勝(Sensho)です。「軍略」の画面に目的(方向)と目標(到達点)を一枚で置き、今日の一手まで同じ面で並べて見られます。
続けた日は連続記録とヒートマップに残り、積み上がると段位が上がります。同じ方向を持つ人を盟友として見つける仕組みもあります。名前と世界観は孫子の兵法から取っていて、出典のある原文を添えてあります。
いまは無料・広告なしのベータです。紙で足りているなら、紙のままで構いません。毎月の見直しを忘れる人だけ、置き場所を移すと楽になります → 先勝(Sensho)(新しいタブで開く)
よくある質問
Q. 人生の目標の例をそのまま自分の目標にするのは、逆効果ではありませんか
言葉まで写すと効きにくくなります。自分の価値観と一致した目標(自己一致目標)を追う人のほうが努力が続きやすく、達成と幸福度の両方が高いことが縦断研究で報告されています(Sheldon & Elliot, 1999, *Journal of Personality and Social Psychology* 76(3), 482–497(新しいタブで開く))。例は型として使い、左の列の言葉は自分の口から出たものに置き換えてください。
Q. 年代で分けるのは乱暴ではありませんか
乱暴です。年代は「方向が切り替わりやすい時期」の目印にすぎず、中身を決めるものではありません。この記事で年代を使っているのは、12個を一度に並べると読者が選べなくなるためで、4つずつの束に意味があるわけではありません。
Q. 目的が決まらないうちに目標を書いてもいいですか
構いません。順番が逆でも到達点にはたどり着けます。先に到達点を書き、「なぜそれが嬉しいのか」を2回たどって左の列を埋める進め方のほうが、目的から考えるより書きやすい人もいます。
Q. 目標は何本まで持っていいですか
目的は1本、目標は3本までを目安にしてください。孫子は虚実篇で「備えない所がなければ、手薄でない所もなくなる」とも書いています。本数を増やすほど1本あたりに向く注意が薄くなるので、増やしたくなったら期を分けて順番に置くほうが進みます。
Q. 12個の中に自分に合うものが1つも無いときは
12個は網羅ではなく出発点です。合うものが無いときは、「いま一番やめたいこと」を1つ書き、それを裏返して左の列に置いてみてください。避けたいことからでも方向は作れます。
関連する記事
人生設計と目標設定の記事は、棚にまとめてあります。
- 人生設計の棚(/life-design) — 目的・目標・習慣の記事の入口
- 人生の目標の立て方 — 候補3つを4つの理由で採点する — 例を選んだ後、1本に絞る手順
- 目的→1年→今月→今日の4層テンプレート — 到達点を今日まで降ろす書き込み式の型
出典
この記事が根拠にしたのは、次の3点です。
- McKnight, P. E., & Kashdan, T. B. (2009). Purpose in life as a system that creates and sustains health and well-being: An integrative, testable theory. Review of General Psychology, 13(3), 242–251. doi:10.1037/a0017152(新しいタブで開く)
- Locke, E. A., & Latham, G. P. (2002). Building a practically useful theory of goal setting and task motivation: A 35-year odyssey. American Psychologist, 57(9), 705–717. PubMed(新しいタブで開く)
- Sheldon, K. M., & Elliot, A. J. (1999). Goal striving, need satisfaction, and longitudinal well-being: The self-concordance model. Journal of Personality and Social Psychology, 76(3), 482–497. doi:10.1037/0022-3514.76.3.482(新しいタブで開く)
- 金谷治 訳注『新訂 孫子』岩波文庫、2000年改版(虚実篇の原文・訓読) — 国立国会図書館サーチ(新しいタブで開く)
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